佐世保市で家を建てるにあたって、台風や豪雨の影響が気になる方もいるのではないでしょうか。
快適な住まいづくりには、防災対策も欠かせません。
この記事では、佐世保市の気候について解説するとともに、台風や豪雨に強い家づくりのポイントもお伝えします。
目次
佐世保市の気候に関する基本情報

平均気温 | 日平均:18.9 ℃日 最高:22.7 ℃日 最低:15.6 ℃ |
降水量 | 2442.5 mm |
雪日数 | 10 日 |
積雪量 | データなし |
佐世保市は、長崎県北部に位置する、九州北最西端のまちです。
年間を通して温暖な気候から、真冬でも0℃を下回ることは稀で、雪が降ることもほとんどありません。
寒暖差も少なく比較的過ごしやすい環境といえます。
一方で、年間降水量は比較的多く、東シナ海に面しているため台風の影響を受けやすい点に注意が必要です。
大きな川沿いや傾斜地にある住宅は、台風・豪雨による浸水や風災、土砂災害などへの対策が求められるでしょう。
佐世保市の過去の気象災害
佐世保市では豪雨による災害が複数記録されており、特に甚大な被害をもたらしたものが、昭和42年(1967年)の「佐世保大水害」です。
1時間に125mmという佐世保測候所開設以来の最高雨量を観測し、相浦川の氾濫による浸水被害や土砂災害が各地で発生しました。
長崎県全体に影響を及ぼしたこの水害では、200人以上の死傷者と331棟の家屋全壊が報告されています。
また、令和2年(2020年)には、6〜7月の1ヶ月間で佐世保市の平年降水量の約6割にあたる雨量が観測され、市内の多くの地区に避難指示が発令されました。
このように、佐世保市では台風・豪雨による被害が大きくなりやすいことから、風水害に負けない家づくりをしていくことが重要です。
参考:長崎地方気象台「1967年(昭和 42年) 7月 佐世保の大雨」、佐世保市「風水害・地震災害への備え」
台風に強い家の特徴

台風に強い家の特徴として、以下の3つが挙げられます。
- 鉄筋コンクリート造である
- 屋根の勾配が緩やかである
- 窓に耐風シャッターを設けている
それぞれ見ていきましょう。
鉄筋コンクリート造である
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)の3つの住宅構造のうち、最も強度の高い構造が鉄筋コンクリート造(RC造)です。
「引っ張る力」に強い鉄筋と「押しつぶす力」に強いコンクリートの2つを組み合わせることで、地震や台風による横揺れ・ねじれといった外力に強い丈夫な構造になります。
また、建物自体に重さがあるため、強風で飛ばされたり、洪水で流されたりするリスクが小さくなる点もメリットです。
実際に、国内でも特に台風の接近数が多い沖縄県では鉄筋コンクリート造(RC造)のシェアが8割を超えており、耐久性や安全性の高さに信頼性が置かれていることがわかります。
参考:NHK 沖縄NEWS WEB「沖縄 価格の安い木造住宅の着工件数が過去最多 2023年度」
屋根の勾配が緩やかである
台風では、横から吹きつける風だけでなく、建物のすき間から侵入し、下から上へと巻き上がるような風の影響も無視できません。
屋根の傾斜が急で軒が長い形状の場合、この上向きの風を受けやすく、屋根材が浮き上がったり、吹き飛ばされたりするリスクが高まります。
一方、勾配が緩やかな屋根であれば、風を受け流しやすいため、強風による被害も軽減しやすくなります。
ただし、勾配がほとんどない「陸屋根」のような形状にすると、雨水がたまりやすくなり、排水や防水処理のコストがかかる可能性がある点に注意が必要です。
窓に耐風シャッターを設けている
台風の際には、強風によって屋根瓦や枝、小石などが飛ばされ、それらが窓ガラスに当たって割れる事故も多く発生しています。
万が一ガラスが割れてしまうと、破片でけがをしたり、風や雨が室内に入り込んだりする恐れがあります。
こうした飛来物による被害を防ぐために有効なのが、窓に取り付ける「耐風シャッター」です。
窓ガラスを保護するだけでなく、雨風の侵入を防ぎ、防災性能に優れるほか、防犯性の向上や遮音・断熱効果といった副次的なメリットもあるため、暮らしの快適性を高めてくれる設備といえます。
豪雨に強い家の特徴

豪雨に強い家の特徴としては、以下の3つが挙げられます。
- 高床構造である
- 防水性能の高い外壁材を使用している
- 電気設備を高所に設置している
順番に解説します。
高床構造である
近年の集中豪雨では、床下・床上まで浸水する被害が全国各地で相次いでおり、昭和42年の「佐世保大水害」でも、25,000件以上の建物で浸水被害が報告されました。
特に、河川沿いや海沿いなど、水位が上がりやすいエリアに住宅を建てる場合は、十分な水害対策が不可欠です。
そこで有効なのが、建物の床面を地面より高く設計する「高床構造」です。
床下に空間ができることで、浸水リスクを抑えられるだけでなく、空気の通り道が確保されるため、湿気やカビの発生を抑える効果も期待できます。
さらに、1階部分を駐車場として利用すれば、狭小地でも有効にスペースを活用できる点がメリットです。
防水性能の高い外壁材を使用している
豪雨の際は、地面からの浸水だけでなく、屋根や外壁を伝って雨水が室内に入り込むこともあるため、外壁材の選び方も重要です。
防水性能に優れた外壁材を使用することで、建物内部への水の侵入を防ぎやすくなり、被害のリスクを下げられます。
特に、「樹脂サイディング」は、防水性や耐久性に優れ、特別なシーリング材も必要としないため、接合部からの水漏れが起きにくい特長があります。
このため、長期的に見てもメンテナンスの手間を減らせる点がメリットです。
さらに、金属系の外壁材と比べて塩害に強く、サビや腐食を起こしにくいことから、海の近くに家を建てたい方にも適した素材といえるでしょう。
電気設備を高所に設置している
豪雨対策では、浸水を未然に防ぐ工夫だけでなく、万が一水が入り込んでしまった場合の備えも重要です。
例えば、通常は床の近くにあるコンセントを壁の高い位置に設置したり、給湯器やエアコンの室外機を想定される浸水の高さ(想定最大水位)よりも上に設置することで、重要な電気設備を水害から守れます。
さらに、2階建ての住宅では、1階と2階で別々にブレーカーを設置しておくと、1階部分が浸水して停電した場合でも、2階では電気が使えるため、生活の維持が可能です。
このように、電気系統の配置を工夫することで、浸水リスクに備えた安心な住まいを実現できます。
台風・豪雨に強い家づくりのポイント

台風・豪雨に強い家をつくるには、以下の3点に留意しましょう。
- 被災リスクの低い土地を選ぶ
- 定期的なメンテナンスを行う
- 被災を想定した生活基盤を整える
長期的な視野で見ることが大切です。
被災リスクの低い土地を選ぶ
台風や豪雨による被害を防ぐには、住宅の構造だけでなく、土地選びも重要です。
例えば、大きな河川の近くや、傾斜地・山あいの土地では、洪水や土砂災害のリスクが高くなる傾向があります。
このような場所では、家屋の防災対策費用や管理の手間も増えるため、できるだけ避けることが望ましいでしょう。
とはいえ、災害リスクが全く無い「100%安全な場所」はほとんど存在しないのが現実です。
したがって、自治体が公開している「ハザードマップ(防災マップ)」を活用し、地域の地形や過去の災害履歴、避難所の位置などを確認したうえで、安心して暮らせる土地を選ぶことが大切です。
定期的なメンテナンスを行う
どれだけ頑丈な構造の住宅でも、維持管理を怠れば防災性能は徐々に低下してしまいます。
例えば、外壁や屋根の塗装は築10年を過ぎた頃が再塗装の目安とされ、耐用年数が20年以上ある建材でも補修せずに放置していると、経年劣化によって雨漏りや外壁内部の腐食といった被害につながる恐れがあります。
安全で快適な暮らしを守るためには、外壁や屋根にひび割れ、カビ、釘抜けなどがないか定期的に目視点検を行い、必要に応じて専門業者に相談することが大切です。
被災を想定した生活基盤を整える
強風や大雨への構造的な対策に加えて、「もし被災したら」の視点で住まいづくりを進めることが大切です。
例えば、窓ガラスが割れた際のケガを防ぐために、ベッドやソファなどの家具は窓際から離して配置する、水回り設備を2階に設置し、1階が浸水しても生活できる環境をつくるといった方法があります。
さらに、停電の長期化に備えて、食料や備蓄品などを保管できる収納スペースを確保しておくと安心です。
「自分も被災するかもしれない」という前提で住まいを整えることが、災害時の落ち着いた行動や早期復旧につながります。
佐世保市の水害や地震リスクについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>「佐世保市で水害や地震のリスクが高いエリアは?注文住宅に必要な耐震性なども紹介」
佐世保市で雨風に強い注文住宅を建てるなら永代ハウスにご相談を
佐世保市は寒暖差が少なく、温暖で過ごしやすい気候が魅力である一方、台風の影響を受けやすく、水害や強風による被害を受ける恐れがあります。
そのため、佐世保市で家を建てる際は、台風・豪雨に負けない、耐風性・防水性の高い構造や建材を選ぶことが大切です。
永代ハウスでは、ご家族全員が長く安心して暮らせる住まいづくりに取り組んでいます。
佐世保市で災害に負けない注文住宅をご検討の際は、永代ハウスにご相談ください。