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第1章 佐世保で「平屋か、二階建てか」を迷う理由
長崎県佐世保市で注文住宅を計画するとき、多くのご家族が最初に迷うのが「平屋にするか、二階建てにするか」というテーマです。雑誌やSNSで見るおしゃれな平屋の写真に惹かれつつも、土地の広さや予算を考えると二階建ても現実的に気になる——そんな声をよく耳にします。
佐世保市は、海と丘陵地が入り組んだ地形が特徴的なエリアです。緩やかな斜面地や高低差のある土地も多く、平坦な敷地ばかりとは限りません。また、街なかの利便性の高いエリアでは、土地の広さや価格とのバランスも重要になってきます。だからこそ、建物の「層」をどう使うか、つまり平屋か二階建てかの選択が、住まいづくりの方向性を決める大きなポイントになってくるのです。
このコラムでは、佐世保市周辺で家を建てるシーンをイメージしながら、平屋・二階建てそれぞれのメリットとデメリットを整理し、自分たちにフィットする住まいのかたちを考えるヒントをお届けします。
佐世保市立地適正化計画/佐世保市役所
機能集積しコンパクトなまちへ 佐世保市の立地適正化計画案 人口減視野に拠点化 – 長崎新聞 2023/04/07 [11:30] 公開
第2章 平屋の魅力——ワンフロアで完結する暮らし
まずは、ここ数年人気が高まり続けている「平屋」から見ていきましょう。平屋最大の魅力は、何といっても「ワンフロアで暮らしが完結する」ことです。
- 上下移動がなく、家事動線がシンプル
- 階段がないため、小さな子どもから高齢期まで安心
- 家族の気配を感じやすく、コミュニケーションがとりやすい
- 天井を高くしたり、勾配天井で開放的なリビングをつくりやすい
リビングと庭、中庭やウッドデッキをフラットにつなげることで、屋内と屋外がひと続きの空間のように感じられるのも、平屋ならではの魅力です。佐世保の穏やかな気候を活かし、テラスで朝食をとったり、子どもたちが庭で遊ぶ様子をキッチンから見守ったり——そんなシーンを日常に取り込みやすくなります。
一方で、平屋は「横に広がる建物」であるため、延床面積が同じでも二階建てに比べて屋根や基礎の面積が大きくなり、建築コストが上がる傾向があります。また、都市部や利便性の高いエリアなど、土地がコンパクトな場合は、希望する間取りを平屋で収めにくいケースもあります。
第3章 二階建ての魅力——コンパクトな敷地を立体的に使う
次に、もっとも一般的なスタイルである「二階建て」です。二階建ての強みは、何といっても「限られた敷地を立体的に活用できる」ことにあります。
- 同じ延床面積でも、平屋より建物の“フットプリント”(建物が占める地面の面積)を小さくできる
- コンパクトな敷地でも、部屋数や収納量を確保しやすい
- 眺望が期待できるエリアでは、二階リビングなどで景色を取り込める
佐世保市には、海を望む高台や、港の風景を楽しめる立地も少なくありません。二階リビングやインナーバルコニーを設けることで、日常的に景色を楽しむ「ビューポイント」としての二階をつくることもできます。
ただし、二階建てには「縦の移動」がつきものです。洗濯動線が1階の脱衣室〜2階のバルコニー〜1階の収納と複雑になったり、子どもが独立し夫婦2人の暮らしになったあと、二階を持て余してしまったり……という話もよく耳にします。ライフステージの変化を見据えたゾーニングが大切です。
佐世保市の土地価格相場・公示地価・基準地価マップ・坪単価|長崎県|2025年[令和7年]
第4章 佐世保の地形と平屋・二階建ての相性

佐世保市周辺で土地探しをすると、平坦な分譲地だけでなく、道路と敷地に高低差がある土地や、旗竿地、変形地など、個性的な条件の敷地にも出会います。
高低差のある敷地では、平屋にすると道路面より建物が低くなりすぎて採光や通風が取りにくい場合があります。その場合、二階建てでリビングを持ち上げてあげる方が、日当たりや眺望の面で有利になることもあります。
逆に、比較的ゆとりのある郊外エリアや、角地・南側に大きく開けた敷地であれば、平屋のポテンシャルが一気に高まります。庭とつながる大開口のリビング、中庭を囲むコの字型プラン、ビルトインガレージと回遊できる動線など、ワンフロアだからこそできる「伸びやかな間取り」が実現しやすいからです。
同じ平屋・二階建てでも、「どんな敷地に建てるか」で手に入る暮らしのイメージは大きく変わります。土地探しの段階から、設計士や工務店に相談しながら、平屋向きか二階建て向きかを一緒に検討していくのが理想的です。
第5章 ライフステージと家族構成から考える
平屋と二階建て、どちらが自分たちに合っているかを考えるうえで、もうひとつ大切なのが「ライフステージ」と「家族構成」です。
●子育て期
子どもが小さなうちは、階段の昇り降りや転落が心配、という方も多く、ワンフロアで目が届きやすい平屋に魅力を感じるご家族が増えています。一方で、兄弟が多い・個室を早めに用意したい場合などは、二階建てで子どもスペースをまとめるプランも有効です。
●共働き世帯
共働きで家事時間をコンパクトにしたい、という視点で見ると、平屋の短い家事動線は大きなメリットです。洗濯〜物干し〜収納までがワンフロアで完結すれば、負担は確実に軽くなります。ただし、二階建てでも、1階にファミリークローゼットを設ける、室内干しスペースを充実させるなどの工夫で、動線のストレスを減らすことはできます。
●将来の暮らし方
50代、60代になったとき、自分たちはどのような暮らし方をしていたいか。老後も変わらずこの家に住み続けたいのか、それとも子ども世帯の近くへ移る可能性があるのか。平屋は「終の住処」としての安心感が大きい一方で、二階建てでも1階だけで生活が完結するプランにしておけば、将来的に二階を最小限の利用に抑えるという選択もできます。
第6章 コスト・性能・メンテナンスの視点で比較する
少し現実的な視点として、平屋と二階建ての「コスト」「性能」「メンテナンス性」も比較してみましょう。
●建築コスト
延床面積が同じであれば、一般的に平屋の方が、基礎と屋根の面積が大きくなる分だけコストがかかる傾向があります。ただし、階段やホールなどの面積が少なくて済むため、同じ予算でも「居室部分」を広く取りやすい、という見方もできます。
●断熱・省エネ性能
高気密・高断熱の観点では、建物の外皮面積が小さいほど有利です。その意味では、コンパクトな総二階の方が有利な場合もありますが、平屋でもしっかりとした断熱仕様を選べば、快適性や光熱費の面で大きな差は生まれません。むしろ、上下階の温度差が少ない分、体感としては平屋の方が快適に感じることも多いでしょう。
●メンテナンス性
外壁の塗り替えや屋根の点検といった外装メンテナンスは、建物の高さがそのまま足場の費用に影響します。将来的なメンテナンスコストを抑えたい場合、平屋の「高さが低い」という特徴は、大きなメリットになり得ます。佐世保市のように塩害や風雨の影響を受けやすいエリアでは、外装メンテナンスのしやすさも意識しておきたいポイントです。
第7章 佐世保で平屋・二階建てを選ぶときのチェックリスト
最後に、佐世保市周辺で注文住宅を検討する際、平屋か二階建てかを選ぶときのチェックポイントを簡単なリストにまとめてみます。
- 土地の広さと形状は?
→平屋で理想の間取りが入るか、二階建ての方が無理なくプランできるか。 - 方位と高低差は?
→日当たりや眺望を活かすなら二階リビングも選択肢。LDKの他に、寝室なども庭との一体感を優先するなら平屋。 - 今の暮らしと、10年後・20年後の暮らしをどうイメージするか?
→子どもの独立後も想像しながら、部屋数やゾーニングを考える。 - 家事動線をどこまでコンパクトにしたいか?
→洗濯や掃除、片付けの動線を紙に書き出してみると、平屋・二階建てどちらが合うか見えやすくなります。 - メンテナンスやランニングコストへの意識は?
→外装のメンテナンス性や、断熱性能・設備とのバランスを、トータルで検討する。
平屋か二階建てか——この問いに「絶対的な正解」はありません。大切なのは、佐世保という土地の特徴と、自分たち家族の暮らし方を重ね合わせて考えること。雑誌で見た憧れのイメージに、実際の生活のリアルな動線や将来像を少しずつ足していくイメージです。
設計士や工務店との対話を重ねながら、「私たちにとってのちょうどいい高さ」「ちょうどいい広がり」を見つけていく。そのプロセスそのものが、注文住宅のいちばんの醍醐味なのかもしれません。ご検討段階から、永代ハウスもご協力させていただきます。